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PREの流動化ソリューション~マーケットとソリューション事例
大きなビジネスチャンスが期待される公的不動産の流動化市場

東急リバブル株式会社
ソリューション事業本部 部長 鈴木伸宏

公的不動産の市場規模

日本の不動産規模(統計)

財務省等の資料によれば、国有財産、地方公共団体や地方公営企業、第三セクターなどの公的機関が保有する不動産を合わせれば、民間法人の所有不動産(約490兆円)を大きく上回ります。(右図参照)

一言に公的機関と言っても、その組織・構成は多彩です。その中でも、保有不動産の有効活用や売却が公表されるなど、流動化がとくに期待できる分野は、「国有財産」、「地方公共団体」、そして「独立行政法人」です。

「国有財産」は、外部からの働きかけによって売却化がスピードアップしています。価値のある優良不動産が市場に放出される可能性は、今後ますます高まってくると期待されます。

一方、「地方公共団体」は、平成の大合併によって大きく再編されました。しかし、各市町村における低・未利用地は増加傾向にあり、特に地方の財政状況は極めて厳しい状態のようです。財政健全化法が制定されたことにより、地方自治体の財政健全化は今後急速に進むと見られています。

また、「独立行政法人」は、財政支出削減を目的とした整理合理化計画により101法人から85法人への削減・統廃合が進められており、この計画によって6,100億円規模の保有財産売却、国庫への返納が見込まれています。

これら国、地方公共団体、独立行政法人において公表された不要資産の売却計画だけでも相当なボリュームですが、その他にも公益法人、特殊法人、特殊会社、第三セクターなどを加えると、公的不動産の流動化市場は膨大な規模になるでしょう。

PRE流動化戦略の構築

公的不動産の流動化戦略を構築する上でまず必要なことは、アセットの現状を的確に把握し、保有すべき不動産と処分すべき不動産を明確にすることです。東急リバブルでは、「デューデリジェンス」、「売却物件の分類」、「スケジューリング」の手順で最適なPRE戦略の構築を行っています。

まずは「デューデリジェンス」 。実勢価額の把握・検証を行い、マーケットとの整合性をはかります。公的不動産の流動化にあたっては、マーケット価額と乖離した過去の不動産鑑定評価を元に最低売却価額が設定されているケースが散見されます。東急リバブルでは、国内84,000社の協力会社とネットワークを構築し、全国のあらゆる案件をサポートす ることが可能です。また、東急リバブルの専門チームがアセットを精査し、多角的な視点から実勢価格を算出いたします。

東急リバブルのデューデリジェンス体制

次に、企画立案部分にあたる「売却物件の分類」です。公的不動産には、売却の容易な物件群がある一方、想定購入者が限定される物件群や単体での売却が 非常に困難な物件群があります。これらをどのように売っていくかが、分類の要とも言えます。東急リバブルでは、既存鑑定書との差額を把握するとともに、物件のパフォーマンスを最大限に引き上げる販売戦略の策定を目指しています。

「スケジューリング」は、効果的な売却期間の設定や情報公開度合を決める大切な要素です。例えば、売却時期をずらすことで売却不調となった物件を以後のバルク売却に組み込んだり、情報漏洩のリスクを考慮してアセットの特性に最適な購入者を想定した紹介・入札を実施するといった工夫も求められます。東急リバブルでは、売却の実現に向けて的確かつ柔軟なスケジュールを策定し、ご提案いたします。

公的不動産の売買の特長と留意点

東急リバブルが携わった公的不動産での事例をいくつか挙げてみます。

■売却業務支援事例

  1. 独立行政法人 年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)
    売却アドバイザリー業務を受託いたしました。RFO初のバルク売却を行い、決められた期限内で売れ残ることなく完了いたしました。
  2. 独立行政法人 緑資源機構
    関東と北海道の宿舎の売却をサポートいたしました。鑑定評価と市場性の乖離を修正しながら、売却を実現いたしました。
  3. 夕張市
    東急リバブルは、債務圧縮のため不要資産の売却が急務となっていた同市に対して売却手法をはじめとする各種提案を行い、アドバイザリーを受託いたしました。
    大型施設の某民間企業への売却サポートなどを行い、財政再建中の地方自治体が不動産会社と単独提携した初の事例となりました。
  4. 青森県
    東急リバブルは、他社に先駆けたPRE戦略における実績とノウハウを評価され、大型物件および他県に所在する遊休不動産の売却を模索していた青森県から売却アドバイザー業務を受任いたしました。
    地方公共団体が、県外に所在を置く宅建業者に対し売却アドバイザー業務委託契約を結んだ初のケースとなりました。

上記事例をもとに、公的不動産の特長と留意点をまとめてみると、下記のようなことが言えます。民間不動産の取引とは異なる部分もありますが、総じて大変魅力的で価値のあるアセットが多いと言えるでしょう。

夕張市の支援について

平成19年、夕張市の財政は破綻し、財政再建団体に移行しました。炭鉱閉山の後処理の負担、炭鉱法の失効による補助金や地方交付税の大幅減少、人口の急減による歳入の減少、観光施設の整備負担などによる膨大な赤字の累積が、財政破綻の原因になったと言われています。財政再建計画では、様々な観点からの財政の再建を図り、353億円の累積赤字を毎年約20億円のペースで返済していく方針が示されました。中でも不要な不動産の処分は、財政再建のための緊急の課題でした。

そこで、東急リバブルで夕張市のPRE戦略に関してご提案させていただくことになりました。

対象となる不動産は約100物件。アセットも多様です。サポート内容は、これらの物件の実勢価格の把握、売却のための戦略協議、ポートフォリオの協議。2007年秋より現地調査を開始し、2008年夏頃に調査・査定が完了いたしました。当社が策定するポートフォリオを元に、夕張市は販売物件と販売方法を決定、その後、入札により売却業務委託業者の選定を行うことも発表いたしました。

東急リバブルが、不動産流通企業として初めて自治体と公的不動産の流動化に関わる業務提携を実現できたこと、また、売却業務も民間企業に委託する方針が示されたことは、公的不動産の流動化における民間企業参入の前例として、大変重要な意味を持てたと考えています。

今後の公的不動産戦略

国土交通省のPRE研究会においても、民間企業におけるPREサポート(不動産コンサルティング的な不動産戦略支援)は期待されています。

公的不動産の売却においても、売却プロセスや販売戦略の策定などへ、東急リバブルのような民間の不動産流通会社が「実務家」として寄与できる余地は非常に大きいと、今回の夕張市の業務において感じました。
公会計制度も変わり、今後売却のニーズが高まる自治体や公共団体のみならず、独立行政法人においても同様に、「売買の専門家」として貢献できると思います。

今後東急リバブルとしても、PRE流動化ビジネスのパイオニアとしてこれまで培ってきた実績やノウハウを活かすと同時に、既成概念にとらわれることなく新しい発想と工夫をしながら、この新たなニーズに積極的に取り組んでいきたいと思います。

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