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不動産市場の各方面で進む格差の拡大は、マーケット進化への1つのプロセス。
東急リバブル株式会社
ソリューション事業本部 部長
前島 康夫
不動産市場の停滞が続く中で、現在様々な分野での二極化が進んでいます。まず、物件に関しては、都心3区ないしは5区の50~100億円以上の大型物件、いわゆる「コア物件」への需要が非常に強く、お客様からのお問い合わせも多数寄せられています。その意味では投資意欲は衰えていないと言えます。一方、賃貸マンションなどのレジデンス系の物件やリテール系の商業ビル、地方の低額のオフィスビルなどの物件については、投資ニーズが落ち込んでいるようです。つまり、積極的に投資するアセットと投資に慎重になるアセットが明確に分かれ、二極化が進んできていると考えられます。
さらに、今後ローンの償還期を迎えるものは、現在デットのマーケットが低迷しているためにリファイナンスできない物件が相当数出てくるでしょう。そうした中で、不動産各社の中でもコア物件の開発を手掛けられる会社と、そうではない会社との間で強弱の差が歴然としてくると予想されます。
投資サイドでは、潤沢な資金力でコア物件を購入される層がある一方で、IRRを重視するオポチュニスティックな投資をするファンド(オポチュニスティック・ファンド)などは、リファイナンスできない物件、あるいはデフォルトリスクを抱える会社の物件を積極的に購入し、早いタイミングで売却するような動きも目立ってくることが予想されます。かつて、1997年から2000年の金融機関や生損保が相次いで破綻した時期に大量の物件を処理した実績とノウハウを持っている会社は、このような物件をターゲットとした事業展開をされるのではないかと考えられます。
このオポチュニスティック・ファンドに限らず、今後、アセットマネジメント会社を含めた投資サイドの動きや実績にも、大きな違いや格差が生じてくるのではないでしょうか。
例えば、アセットマネジメント事業に関しては、投資家の判断基準が厳しくなる中で、バリューアップ手法への取り組み、あるいはデットのアレンジ能力次第で、実績に大きな差が出てくることが予想されます。

現在の低迷する不動産市場は、J-REITの設立など不動産市場が投資市場として順調に発展し始めて以来、初めての逆風状態だと思います。その背景には、サブプライムローン問題をはじめ、耐震偽装問題による建築基準法の改定、金融商品取引法の施行など様々な要因を挙げることができますが、このハードルを乗り越えていくことで、日本の不動産市場はより透明性の高い、ルールの整ったマーケットへと発展していくことができると思います。日本の政府系ファンドも立ち上げられようという動きもみられる今、内外の投資家がより投資しやすい、開かれたマーケットへ進化していく一つのステップとして、現在の状況を捉えることができるのではないかと思うのです。
進化していくのはマーケットだけではありません。マーケットに関わる全てのお客様もまた、現在の逆境を乗り越えて発展していくことを追求されているのではないでしょうか。
そうした様々な分野のお客様をサポートさせて頂くのが、私たちの使命です。東急リバブルには多種多様な実績があり、流動化に関する豊富な知識・ノウハウを蓄えています。その中で、現在私が兼務している、不動産投資ファンドをサポートしていく部門とアセットマネジメント部門では、経験豊富なスタッフが多数在籍しています。この体制を活用して、アセットマネジメント会社へ一部業務のアウトソーシングのご提供、あるいは金融機関の方々、不動産鑑定士や弁護士・会計士・司法書士の諸先生など、多くのお客様に情報とサービスのご提供をしていきたいと考えています。そうした日々の活動を通して、市場活性化の一端を担っていければとの思いを強くしていますので、ご活用のほど宜しくお願いいたします。

